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Flow鍼灸院 麻布十番が半月板損傷について語ります。2025.08.09
半月板損傷を鍼治療でアプローチする際は、西洋医学的な膝関節の構造理解と、東洋医学的な経絡・気血の流れの観点を組み合わせて行います。以下はその詳細な流れです。
1. 状態の確認と診断
まずは半月板損傷の程度や症状を確認します。MRIや整形外科での診断結果があれば参考にし、膝の可動域・腫れ・熱感・圧痛点を触診します。
東洋医学では、膝の痛みや腫れを「気血の滞り」「寒湿の侵入」「腎虚」などの証に分類し、鍼のアプローチ方針を決めます。
2. 治療の目的
鍼治療で半月板を直接「再生」することはできませんが、次の目的で治療を行います。
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炎症や腫れの軽減
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関節内外の血流促進による自然治癒力の活性化
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痛みの緩和
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膝周囲の筋肉の緊張緩和(特に大腿四頭筋やハムストリング)
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膝関節の動きの改善
3. 主な鍼のアプローチ
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局所治療(膝周囲)
膝関節の周囲(膝眼、梁丘、犢鼻、内外膝眼、陰陵泉など)に鍼を打ち、血流とリンパ循環を促進します。
損傷部位の周囲には浅くアプローチして炎症を悪化させないよう注意します。 -
遠隔治療(経絡調整)
膝は足陽明胃経・足太陰脾経・足少陽胆経などと関係が深いため、手や足首、腰部の経穴も活用します。
例:足三里(胃経)、三陰交(脾・肝・腎の交会穴)、陽陵泉(胆経) -
全身調整
慢性化している場合は腎虚(腎精不足)が背景にあることが多く、腎経の経穴(太谿、照海など)を使って全身の回復力を底上げします。
4. 治療の流れ
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膝周囲の緊張を和らげるためにまず遠隔穴を刺激
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膝関節周囲の炎症を抑えるために局所の経穴に浅く鍼を打つ
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必要に応じて温灸や電気鍼を併用し、血流促進と修復促進を図る
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施術後は膝の可動域や痛みの変化を確認し、その日の状態に合わせて次回のプランを調整
5. 治療期間の目安
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急性期(受傷〜2週間):週2〜3回、炎症抑制と痛み軽減を中心
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亜急性期〜慢性期(2週間〜数か月):週1〜2回、血流改善と筋肉バランスの回復
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長期安定期:再発予防として月1回程度
6. セルフケアの併用
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軽いストレッチや大腿四頭筋・ハムストリングの筋トレ
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過度な負荷や急な動きを避ける
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膝を冷やしすぎず、血流を保つ
膝周囲の経穴(局所治療)
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膝眼(しつがん)
膝蓋骨の両脇のくぼみ(内膝眼・外膝眼)にあり、膝の痛みに直接作用します。 -
犢鼻(とくび)
膝蓋骨のすぐ下の中央、膝蓋靭帯の上。膝の腫れや屈伸障害に有効。 -
梁丘(りょうきゅう)
大腿前面、膝蓋骨の上外側。大腿四頭筋の緊張を和らげます。 -
陰陵泉(いんりょうせん)
脛骨内側の下端にあり、膝内側の痛みに強い。
膝と関係の深い経絡上の経穴(遠隔治療)
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足三里(あしさんり)
膝の外側下方。消化機能改善と同時に膝の血流改善に効果。 -
陽陵泉(ようりょうせん)
脛骨外側下端。筋肉や腱のこわばり、特に膝外側の痛みに有効。 -
三陰交(さんいんこう)
内くるぶし上方。脾・肝・腎の経絡が交わる重要穴で膝の慢性痛にも使われます。 -
委中(いちゅう)
膝裏中央。腰・下肢の血流改善や関節痛緩和に有効。
Flow鍼灸院 麻布十番では痛みに特化したメソッドで膝の痛みを改善していきます。麻布、六本木エリアでお困りの方は当院までお気軽にご連絡ください。
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